こんにちは、garesuです。
日常生活に欠かせない味噌、醤油、みりん、日本酒、甘酒は麹を使った発酵食品です。
日本の伝統的な発酵食品を作るために麹は重要な役割を果たしています。
今回は、麹とは何か?についてお話しをしますね。
麹菌
一般に米、麦、大豆などの穀物に麹菌を繁殖させたものを麹とよびます。

麹菌はカビの一種でコウジカビともよばれます。
カビが育つには湿度が高い環境が適しています。なので、多湿地帯の日本(アジア)はカビを使った発酵食品が作られるようになったのです。
アジアの川の流域でカビによる酒づくりが発達したのもその理由なんですね。
一方で乾燥地帯のヨーロッパなどはカビが発生しにくいためブルーチーズ、サラミの一部を除けばカビを利用した発酵食品はあまりみられないのです。
日本の伝統ある食文化がうまれたのは、多湿地帯だからこそ見出された麹菌とよばれるカビのおかげなのですね。

麹菌の種類
麹菌はさまざまな種類があります。
胞子の色、特徴によって分類され、食品ごとで使う菌も違ってきます。
麹菌の代表的なものをお話ししますね。
黄麹菌 学名:Aspergillus oryzae(アスペルギルス オリゼー)
日本でも使われている代表的な麹菌。ニホンコウジカビともよばれています。
多種多様な酵素やビタミンを生産
デンプンやタンパク質の分解能力が強い
味噌、醤油、日本酒、焼酎、みりんなどの発酵食品や医薬品に使われています。
胞子の色は緑がかった黄色で、古くなると褐色になります。
黒麹菌 学名:Aspergillus luchuensis(アスペルギルス ルチエンシス)
沖縄県の泡盛づくりに使われています。
クエン酸を生産する能力をもっています。
クエン酸がpH値を下げて、雑菌の繁殖を防いでくれます。
暑い気候の沖縄でつくられる泡盛に適しているのです。
胞子の色は黒です。黒麹菌でつくられる麹は真っ黒です。
白麹菌 学名:Aspergillus kawachii (アスペルギルス カワチ)
当時大蔵省(現在は財務省)の官僚で科学者だった河内源一郎が発見した菌なので、カワチコウジカビと名付けられました。
沖縄での調査中に発見しました。黒麹菌とは違い白色の胞子を形成して、比較的低い酸度で発酵を行い雑菌の繁殖を抑制する効果があることがわかりました。この特性により、白麹菌は安定した品質の焼酎製造が可能となり風味も改善されることが示されました。
紅麹菌 学名:Meniscus purpureus(モナスカス パープレウス)
アジアの多くの地域で伝統的に使用されていて特に中国、日本、韓国などで広く利用されています。
自然な赤色の色素(モナスカス色素)を生成し、食品の着色料として使用されることがあります。色素は天然由来であり、人工着色料の代替として人気があります。
コレステロールを下げる効果があるとされる「モナコリンK」という成分を含んでいます。この成分は、スタチン系の薬と同様の働きを持ち、心血管の健康に良い影響を与えると考えられています。そのため、紅麹菌サプリメントがコレステロール管理のために使用されることがあります。
紅麹菌を利用する際には、その効果や副作用について注意を払い、特に健康食品として摂取する場合には、医師や専門家と相談することが推奨されます。
カツオブシ菌 学名:Aspergillus glaucus (アスペルギルス グラウカス)
鰹節の乾燥過程で利用される菌で、鰹の身を発酵させる際に使用されます。この菌が増殖することで、鰹節に独特の風味と香りが生まれます。
カツオブシ菌は鰹節の保存性を高める効果もあります。菌が表面に付着して発酵を促進することで、他の有害な菌の繁殖を抑える働きがあります。
鰹節には高いタンパク質含有量や、ビタミンB群、ミネラルが豊富に含まれており、健康に良いとされています。また、鰹節の発酵過程で生成されるペプチドは、血圧を下げる効果があるとされ、健康食品としての注目も集めています。
カツオブシ菌は、鰹節の風味を生み出すだけでなく、保存性や栄養価を高める重要な役割を果たしており、日本の伝統的な食文化に欠かせない存在です。

いかがでしたか?
昔から日本の食事を支えている代表的な麹菌についてお話ししました。