【ワイン 発酵酒】

こんにちは、garesuです。

ワインは果実の自然な発酵によって作られる伝統的な発酵食品の一つです。
微生物の働きによって風味や品質が大きく左右されます。

ワインは 6000年以上の歴史を持つ発酵食品 であり、文化・宗教・科学とともに進化してきました。
古代から現代まで、ワインは人々の生活に寄り添い、その製造技術は絶えず発展し続けています。

ワインの歴史

ワインはブドウ果汁が酵母のはたらきでアルコール発酵してできたお酒ですが、発酵に必要な酵母はブドウの果皮に大量に付着しています。
そのため、ブドウの実をつぶして放置すれば自然にアルコール発酵が起こります

麦を原料としたお酒(ビールやウイスキー)や、日本酒(原料は米)は原料の穀物に含まれるデンプンを何らかの方法で糖化させなければアルコール発酵が起こりません。
ワインの場合は原料のブドウ果汁に糖が含まれているため糖化をさせる必要はありません
このような発酵形態を単発酵といいます。

糖化とは?
糖化(とうか) とは、デンプンを分解して 糖(ブドウ糖や麦芽糖)に変える プロセスのことです。

 どんな時に使われる?

  • 日本酒・ビール・焼酎の製造 で、発酵の前に必要な工程。
  • 麹(こうじ)や麦芽(ばくが) の酵素が働いて糖化が起こる。

 発酵との違いは?

  • 糖化 → デンプンを糖にする(準備)
  • 発酵 → 糖をアルコールや酸にする(変化)

例えば、日本酒 は「米のデンプンを麹で糖化 → 酵母が発酵してアルコールに変化」


ワインの起源(紀元前6000年頃〜)

ワインの起源は 紀元前6000年頃 にさかのぼります。

  • 最古のワインの痕跡は ジョージア(コーカサス地方) の土器から発見されました。
  • アルメニア では紀元前4100年頃のワイン醸造所が発見されており、すでにワイン造りが体系化されていたと考えられています。
  • 当時は ブドウを壺に入れて自然発酵させる というシンプルな方法でワインが造られていました。

この時代、ワインは 宗教的儀式や医療 にも使われ、人々の生活に深く根付いていました。

古代文明とワイン(紀元前3000年〜)

メソポタミアとエジプト

  • 紀元前3000年頃、メソポタミア(現在のイラク周辺) でワインの交易が始まりました。
  • エジプトでは 王族や貴族の飲み物 として発展し、ワイン造りの様子がピラミッドの壁画にも描かれています。
  • 紀元前2000年頃にはワインを 瓶に詰め、ラベルを付ける 文化も誕生しました。

ギリシャとローマ

ローマ人はワインを 水で薄めて飲む 習慣があり、濃いワインをそのまま飲むことは野蛮とされていました。

古代ギリシャ では、ワインは「神々の飲み物」とされ、酒神ディオニュソス の祭り(バッカス祭)で飲まれました。

古代ローマ ではワインの大量生産が進み、ワイン造りの技術が向上。現在のフランスやスペイン、ドイツにワイン文化が広まりました。

中世ヨーロッパとワイン(5世紀〜15世紀)

修道院とワイン造り

  • キリスト教の修道院 がワイン醸造を支えました。
  • 特にフランスの ベネディクト会やシトー会 の修道士たちは、高品質なワイン造りを発展させ、ブルゴーニュやシャンパーニュなどの名産地を築きました。
  • この時期、ワインは ミサ(宗教儀式) に欠かせないものとなり、教会がワイン文化を保護しました。

イスラム世界とワイン

イスラム教ではアルコールが禁止されていましたが、一部のイスラム科学者は ワインの蒸留技術を発展させ、これが後のブランデーやウイスキーの誕生につながりました。

近代ワインの発展(16世紀〜19世紀)

大航海時代とワインの広がり

  • 16世紀、ヨーロッパの探検家 たちがワインをアメリカ、オーストラリア、南アフリカに持ち込みました。
  • スペイン人は南米(アルゼンチン・チリ) に、フランス人は北米(カリフォルニア) にワイン文化を広めました。

ガラス瓶とコルクの発明

  • 17世紀に ガラス瓶 と コルク栓 が登場し、ワインの長期熟成が可能に。
  • シャンパーニュ地方 では、ドン・ペリニヨン という修道士が発泡ワインの技術を確立しました。

19世紀のフィロキセラ危機

アメリカ産の耐性ブドウの台木を使うことで、ワイン産業は復活しました。

19世紀後半、フィロキセラ(ブドウネアブラムシ) という害虫がヨーロッパのブドウ畑を壊滅状態に。

現代のワイン(20世紀〜現在)

技術革新と品質向上

  • 20世紀には温度管理技術 や 酵母の研究 が進み、安定した品質のワインが造られるように。
  • 1960年代以降、フランスやイタリアだけでなく、アメリカ(カリフォルニア)、オーストラリア、チリ、日本 など世界中でワイン生産が盛んに。

ナチュラルワインの流行

無農薬・無添加のワイン造り が注目され、発酵の個性を活かしたワインが人気に。

21世紀に入り、「ナチュラルワイン(自然派ワイン)」がブームに。

ワインの製造工程

ワインの製造工程は、赤ワインと白ワインで異なります。

以前はブドウの果皮に付着している野生酵母を使い発酵させていました。
現在は純粋培養された乾燥酵母を使用するのが一般的になっています。

徐梗・破砕

ブドウの実が付いている枝の部分を果梗(かこう)といい、果梗から実を分離することを除梗(じょこう)といいます。
機械を使って果梗を取り除いたブドウの実は、果皮が破れる程度につぶします。この工程を破砕(はさい)といいます。

白ワインは除梗・破砕したブドウを圧搾して果汁だけを発酵させます。

赤ワインの場合は、果汁と一緒に果皮、種子も発酵槽に入れます。

発酵槽とは‥
発酵を行うための容器のこと。現代のワイン醸造では温度調整機能が付いたステンレス製のタンクが使用されていることが多いです。


ここで、ブドウの果皮に付いた野生酵母の繁殖を抑えるために二酸化硫黄(にさんかいおう)が添加されます。
二酸化硫黄は酸化防止剤としての役割とワインの色や品質を安定させる働きがあります。
※二酸化硫黄=亜硫酸塩

主発酵(一次発酵)

徐梗・破砕したブドウにワイン酵母を入れてアルコール発酵を起こします。
このことを主発酵(一次発酵)といいます。

酵母のはたらきでブドウに含まれる糖がアルコールに分解されて炭酸ガス(二酸化炭素)が発生します。
発酵の温度や期間は醸造所により違いはありますが、赤ワインの場合は25℃〜30℃で10日前後白ワインの場合は15℃〜20℃で2週間前後かけて発酵をさせるのが一般的です。

赤ワインの場合、発酵中に発生する炭酸ガスによって果皮や種子が発酵槽の表面に浮かび上がってきます。
これを放置すると酢酸菌などが繁殖して酒の品質を劣化させてしまうため、底に沈めたり発酵槽の中で循環させたりするマセラシオンという作業を行います。

赤ワインは主発酵が完了した後で圧搾をおこない、果皮や種子を取り除きます。

後発酵(二次発酵)

主発酵が完了したワインは貯蔵用のタンクや木樽に移して熟成させます。
このことを後発酵(二次発酵)といい、熟成期間は数十日から長いものでは数年におよびます。

この段階で乳酸菌を加えるなどして、ワインの中のリンゴ酸を乳酸に変化させるマロラクティック発酵をおこなう場合もあります。
酸味の鋭いリンゴ酸が減少することで、柔らかな酸味に落ち着くとともに、乳酸発酵によって生まれた香気成分がワインの風味に複雑さを与えます。
後発酵中には発酵によって発生する炭酸ガスを大気中に発散させることや、タンクや木樽の底に溜まる澱(おり)を取り除きます。

酒類

ここでお酒の種類や分類についてお伝えしますね。

酒類の定義

酒類(しゅるい)とは、アルコールを含む飲料のことを指し、主に法律や税制の観点で定義されます。日本における酒類の定義は、主に「酒税法」によって定められています。

酒税法における定義

日本の酒税法(第2条)では以下条件を満たすものを「酒類」と定義しています。

 アルコール分1度以上の飲料

アルコール度数が1%以上であれば、酒類に該当し、酒税の対象となります。


2. 酒類の分類(酒税法)

酒税法では、酒類を4つの大きなカテゴリに分類しています。

分類主な例特徴
発泡性酒類ビール、発泡酒、スパークリングワイン炭酸を含む酒類
醸造酒類日本酒、ワイン原料を発酵させて造る
蒸留酒類焼酎、ウイスキー、ブランデー、ウォッカ醸造酒を蒸留して造る
混成酒類リキュール、梅酒、みりん醸造酒や蒸留酒に糖類や香味成分を加えたもの

3. 食品衛生法における定義

「食品衛生法」では、酒類は食品の一種と見なされ、製造や販売における安全管理の対象となります。


4. 国際的な酒類の基準

国によって酒類の定義は異なります。例えば、アメリカやEUでは、アルコール度数0.5%以上の飲料を「酒類」と定義する場合があります。


5. 酒類の販売・免許について

日本では、酒類を販売するには酒類販売業免許が必要です。無許可での販売は違法となるため注意が必要です。

酒類の分類図表

日本の酒税法に基づいた酒類の分類を示しています。

酒類の分類(酒税法)

酒類(アルコール分1%以上)
├── ① 発泡性酒類
│ ├── ビール 🍺
│ ├── 発泡酒
│ └── スパークリングワイン 🍾

├── ② 醸造酒類(発酵で造られる)
│ ├── 清酒(日本酒)🍶
│ ├── 果実酒(ワインなど)🍷
│ └── その他の醸造酒

├── ③ 蒸留酒類(蒸留して造られる)
│ ├── 焼酎(甲類・乙類)🥃
│ ├── ウイスキー
│ ├── ブランデー
│ ├── ウォッカ
│ ├── ジン
│ ├── ラム
│ └── テキーラ

└── ④ 混成酒類(他の酒類を混ぜる・味付けする)
├── リキュール(梅酒、カクテル用リキュールなど)🍸
├── みりん(料理酒)
├── 甘味果実酒(ポートワイン、シェリーなど)
└── 雑酒(どぶろく など)

分類のポイント

発泡性酒類 → 炭酸を含む酒類(ビール、スパークリングワインなど)
醸造酒類 → 原料を発酵させて造る(日本酒、ワインなど)
蒸留酒類 → 醸造酒を蒸留して造る(ウイスキー、焼酎など)
混成酒類 → 他の酒類を混ぜる、または味を加える(リキュール、みりんなど)

いかがでしたか?

体質的にお酒はあまり飲酒しないので詳しくはありません。
皆さんの方が詳しいのでは?

次回はワインの健康効果をお伝えしますね。

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