こんにちは、garesuです。
漬物の作り方をお伝えしますね。
塩分を含む漬け床に野菜を漬け込むと浸透圧により野菜の野菜の細胞膜が壊れて、野菜に含まれている成分が染み出してきます。
野菜の表面に付着している乳酸菌は、野菜から出た糖分を栄養として繁殖を繰り返し、乳酸や香気成分などの副産物を生み出します。これらの成分が野菜に浸透して漬物独特の風味が生まれます。

乳酸発酵漬物
乳酸菌や酵母菌は空気が少ない環境で活発に働く嫌気性菌です。
野菜を漬ける際しっかりふたをし、上から重石をのせて空気に触れにくくします。
この作業でカビなどの繁殖を防ぎ、乳酸菌や酵母菌が繁殖しやすくなります。また、乳酸菌が生みだす乳酸によって漬物が酸性になるため(pH値が下がる)、酸に弱い腐敗菌の働きが抑えられ保存性が高まります。
野菜を塩や麹などと一緒に漬け込み、自然発酵によって保存性と風味を高めたものです。発酵によって乳酸菌などが生成され、独特の酸味や深みのある味わいが生まれます。また、発酵漬物は腸内環境を整える効果があり、健康にも良いとされています。
乳酸発酵漬物の作り方(浅漬け)
野菜を塩で漬け込み、乳酸菌の働きによって発酵させることで作られる漬物です。発酵によって酸味が生まれ、保存性が高まり、独特の風味が楽しめます。
1.野菜の準備
まず、漬ける野菜を選びます。一般的には、白菜、大根、きゅうり、キャベツなどがよく使われます。
・手順: 野菜をよく洗い、汚れを落とします。大きな野菜は食べやすい大きさに切ります
2.塩を加える
塩は乳酸発酵を促すために必要です。塩分濃度が適切でないと、腐敗菌が繁殖してしまいます。一般的には野菜の重さに対して2〜3%の塩を使います。
手順: 野菜に均等に塩を振り、軽く揉みます。これによって野菜から水分が出やすくなり、発酵が促進されます。
3.重石をして発酵させる
塩を加えた野菜を容器に詰め、重石をして押しつぶします。これにより、野菜から水分が出て「漬け液」ができ、酸素が遮断されます。嫌気的(酸素がない)環境で乳酸菌が増殖し、発酵が進みます。
手順: 野菜の上に清潔な布や板を置き、さらにその上に重石を乗せます。数日から1週間ほど常温で置くと、発酵が始まります。発酵が進むにつれて、酸味が増してきます。
4.完成と保存
発酵が進み、好みの酸味になったら完成です。発酵が進みすぎないように冷蔵庫で保存し、食べたいときに少しずつ取り出します。
手順: 重石を外し、漬物を保存容器に移して冷蔵庫で保存します。冷蔵保存することで発酵が遅くなり、長期間楽しむことができます。
乳酸発酵漬物は、手軽に作れる上に、発酵の過程を楽しみながら保存食として利用できる日本の伝統的な食文化です。
乳酸発酵漬物(糠漬け)

糠漬け(ぬかづけ)は、米ぬかを使って野菜を漬け込み、発酵させる日本の伝統的な漬物です。米ぬかに含まれる乳酸菌や酵母が野菜を発酵させ、独特の酸味と深い風味が生まれます。糠漬けは発酵食品であるため、腸内環境を整える効果も期待されています。
糠漬けの特徴
乳酸発酵: 米ぬかの中に含まれる乳酸菌が、野菜の糖分を分解し乳酸を生成します。この乳酸が、糠漬けに特有の酸味と風味を与え、保存性を高めます。
風味: しっかりとした酸味と、米ぬかによるほのかな甘みや旨味が特徴です。漬ける時間や温度によって風味が変わり、短期間の浅漬けは爽やかで、長期間漬けるとより濃厚な味になります。
食材の多様性: きゅうり、大根、人参、ナスなど、様々な野菜を漬けることができます。
糠漬けの作り方
材料
野菜: きゅうり、大根、なす、人参など好みのもの
糠床(ぬかどこ): 米ぬか、塩、水
その他: 昆布、唐辛子、柑橘の皮(風味付け)
手順
1.糠床を作る
米ぬか: 約1kg
塩: 約100g(米ぬかの10%)
水: 適量(米ぬかがしっとりする程度)
米ぬかと塩を混ぜ、水を少しずつ加えながら、味噌のような固さにします。
好みに応じて昆布や唐辛子を加え、風味を調整します。
2.糠床を熟成させる
新しい糠床は、最初に野菜の切れ端を漬け込んで数日発酵させます。
この間、毎日かき混ぜて空気を入れ、糠床全体を均一に発酵させます。
3.野菜を漬ける
野菜を洗い、水気をしっかり拭き取ります。塩を軽く振っておくと、水分が出やすくなり、漬け上がりが早くなります。
野菜を糠床に埋め、しっかりと押さえます。きゅうりは1日、大根や人参は2~3日で食べ頃になります。
4.発酵の管理
毎日1回糠床を手でかき混ぜて空気を入れ、発酵を均一にします。
夏場は発酵が早く進むため、冷蔵庫で保管して発酵を遅らせることもあります。
5.完成と保存
好みの発酵具合になったら、糠から野菜を取り出して水で軽く洗い、食べやすい大きさに切っていただきます。
糠床の管理とメンテナンス
糠床は定期的な管理が必要ですが、適切にメンテナンスすれば長期間使い続けることができます。
- 毎日のかき混ぜ: 糠床は毎日かき混ぜ、空気を含ませることが大切です。空気が入らないと腐敗菌が繁殖する原因になります。
- 水分補給: 野菜から水分が出るため、糠床が水っぽくなることがあります。この場合は、少し新しい米ぬかを加えて調整します。
- 塩分補給: 長期間使うと塩分が少なくなるため、時々塩を足して味を整えます。
糠床の構成・手入れ方法
糠床(ぬかどこ)は、米ぬか、塩、水をベースに作られ、野菜を発酵させるための漬け床です。この中で乳酸菌や酵母が活発に働き、発酵を促進し、野菜を美味しい糠漬けに変えます。糠床の構成と、長く使うための手入れ方法をお伝えしますね。
糠床の構成
1.乳酸菌の発酵
糠床には乳酸菌が含まれており、これが野菜の糖分を分解して乳酸を作り出します。乳酸は酸性であり、これにより糠床の環境が酸性に保たれ、腐敗菌の繁殖を抑えることができます。
2.塩の役割
塩は糠床の腐敗を防ぐために不可欠です。適切な塩分濃度を維持することで、乳酸菌などの発酵に必要な微生物を活性化させ、同時に腐敗菌の繁殖を抑制します。また、塩は野菜から水分を引き出し、糠漬けの味を引き締める役割も果たします。
3.酵母の発酵
糠床には酵母も存在しており、風味や香りに影響を与えます。乳酸菌と共に発酵を進めることで、独特の風味が生まれます。
4.野菜の浸透圧と水分排出
塩によって野菜から水分が引き出され、これが糠床に吸収されます。この水分は、野菜の持つ糖分やアミノ酸と混ざり、さらに発酵を促進します。これにより、糠漬け独特の深い旨味が生まれます。
糠床の手入れ方法
1.毎日かき混ぜる
糠床は毎日かき混ぜることが必要です。これにより空気が入り、酸素を必要とする好気性菌(乳酸菌の一部)が元気に活動できる環境が整います。
また、空気が入らないと嫌気性の腐敗菌が増えやすくなるため、糠床の劣化を防ぐためにも毎日のかき混ぜが重要です。
手順: 清潔な手や木べらを使って、糠床の上下をしっかりと混ぜます。これにより、発酵が均一に進むとともに、糠床が均質に保たれます。
2.水分管理
野菜から出た水分で糠床が水っぽくなりすぎることがあります。この場合は水分調整が必要です。
水っぽくなった場合: 新しい米ぬかを少し加えて、糠床の固さを保ちます。適度にしっとりとした状態が理想です。乾燥している場合: 少量の水を加えて、糠床全体がしっとりとするようにします。
3.塩分の補充
長期間使用していると、塩分が不足してくることがあります。塩分が少ないと発酵がうまく進まず、腐敗の原因にもなります。
塩を足すタイミング:糠床の風味が弱くなったり、発酵が進みにくくなったと感じたら、少し塩を足します。特に暑い季節には発酵が進みやすいため、塩分を多めにすることで腐敗を防ぎます。
4.糠床の温度管理
糠床は温度に敏感です。特に夏場は発酵が速く進むため、冷蔵庫に保存して発酵を遅らせることができます。逆に冬場は発酵が遅くなるため、常温で管理することが多いです。
夏場の対策: 暑い時期は冷蔵庫で保管し、発酵を遅らせます。冷蔵庫でも毎日のかき混ぜは必要です。
冬場の対策: 冬は常温でも発酵が遅くなるため、暖かい場所に置いて発酵を促進します。
5.定期的な米ぬかの補充
糠床は使い続けると米ぬかの成分が減少し、風味や発酵力が落ちてきます。そのため、新しい米ぬかを定期的に補充して、糠床を元気に保ちます。
補充の方法: 少しずつ米ぬかを加え、全体をかき混ぜて馴染ませます。塩も一緒に足すとバランスが保たれます。
6.異臭やカビの対処
糠床が適切に管理されていない場合、異臭がしたりカビが生えることがあります。
異臭がする場合: 乳酸菌以外の雑菌が増えている可能性があるため、米ぬかを取り除き、塩を多めにして管理し直します。
カビが生えた場合: 表面に白カビが少し生えた場合は、その部分を取り除きます。緑や黒のカビが大量に生えた場合は、糠床全体がダメになっている可能性があるため、新しく作り直す方が良いです。
糠床を元気に保つポイント
新鮮な材料を使う: 野菜を入れる前にしっかりと洗い、余分な水分を拭き取ることで、糠床が雑菌に汚染されるリスクを減らします。
糠床のリフレッシュ: 長く使っていると糠床の風味が落ちることがあるので、1年に1回程度、新しい糠床を作るか、古い糠床に新しい米ぬかを大量に加えてリフレッシュします。
糠床のメリット
長期保存: きちんと管理すれば糠床は何年も使い続けることができます。毎日の手入れが必要ですが、その分長く愛用できる点が魅力です。
健康効果: 糠漬けには乳酸菌が豊富に含まれ、腸内環境を整える効果があります。また、米ぬかにはビタミンB群やミネラルが含まれており、健康にも良いとされています。

いかがでしたか?
わたしも糠漬けは大好きなのでつくりますが、今年は真夏にダメにしてしまいました‥
みなさまも機会があれば是非つくってみてください。
とっても美味しいですよ!