【日本酒 発酵食品】

酒 発酵食品

こんにちは、garesuです。

晩酌に日本酒を楽しむ方もいらっしゃると思います。

世界で最もアルコール度数の高い醸造酒と言われているのですよ。

ことわざで、「酒は百薬の長」といわれています、日本酒は古くから優れた薬とされてきました。

日本酒には米麹による発酵作用で生まれるアミノ酸やビタミン類、ペプチドなどの栄養素が豊富に含まれていて、
美肌効果や血行促進効果などが認められています。

個性豊かな日本酒がたくさんありますが、飲み過ぎはいけません。適量を摂ることで健康効果があることがわかっています。

日本酒の歴史

日本酒の歴史はとても古く、日本の文化や伝統と深く結びついています。日本酒は米を発酵させて作られる醸造酒であり、その起源は約2000年以上前にさかのぼります。

古代の日本酒(紀元前から奈良時代まで)

日本酒の起源は稲作の伝来と密接に関わっています。稲作は弥生時代(紀元前300年頃)に中国から日本に伝わり、その後、米を使用した酒造りが始まりました。最初期の酒は、「口噛み酒(くちかみざけ)」と呼ばれる方法で作られました。これは、米を口で噛み砕いて唾液で発酵させるという手法です。この方法は、古代日本の儀式や祭りで使用されました。

奈良時代(710年-794年)になると、寺社を中心に酒造りが発展しました。この時期、政府が酒造を管理し、国の重要な儀式にも酒が使われるようになりました。宮廷では「造酒司(さけのつかさ)」という酒造りを専門に行う役所も設立されました。

平安時代から室町時代の発展

平安時代(794年-1185年)には、酒造りの技術がさらに進歩しました。特に麹(こうじ)を使った酒造りが一般的になり、これは今日の日本酒造りの基本となっています。また、清酒(すんだ酒)が誕生し、古代の濁り酒から進化を遂げました。

鎌倉時代(1185年-1333年)や室町時代(1336年-1573年)には、各地の寺院や神社で酒造りが行われ、僧侶や武士の間で酒が広まりました。この頃、酒造りは宗教的な儀式だけでなく、一般の人々の間でも消費されるようになりました。

室町時代から江戸時代にかけて醸造技術は進歩を遂げます。日本酒特有の段仕込みや火入れ法(低温殺菌法)といった技術もこの頃に確立されました。

明治時代以降の近代化

明治時代(1868年-1912年)になると、政府が酒税を課すようになり、酒造業は一層の発展を遂げました。この頃、近代的な醸造技術が導入され、科学的な研究も進みました。20世紀に入ると、冷蔵技術や機械化が進み、品質の安定と生産効率が向上しました。

第二次世界大戦後は、原料の米不足から日本酒の生産が一時的に制限されましたが、戦後の経済復興とともに日本酒産業も復活しました。また、この時期から大吟醸酒や純米酒など、さまざまなタイプの日本酒が登場し、多様な消費者のニーズに応えるようになりました。

現代の日本酒

21世紀に入り、国内外で日本酒の人気が高まりました。海外輸出も増加しており、特にアメリカやヨーロッパ、アジアの国々で日本酒が親しまれています。日本国内でも、若手の蔵元や職人が新しい技術やアイデアを取り入れ、クラフト日本酒やユニークな風味の酒が登場しています。

現在、日本酒は単なる飲み物ではなく、食文化や伝統工芸としての側面も評価されており、世界的な文化財としての地位を確立しています。

日本酒の歴史は、日本の文化、宗教、経済の発展とともに歩んできたものです。長い伝統の中で培われた技術と精神が、今も受け継がれ、多くの人々に愛されています。

清酒の定義と分類

酒税法上で日本酒のことを清酒とよびます。酒税法における清酒の定義として

①原料はを使用
濾す作業を行なったもの
③アルコール分が22度未満であること  などが定められている。

酒税法第3条第7号における「清酒」の定義は、日本における酒類に関する規制の一部で、特に日本酒に関する規定です。この定義を理解しやすくするために、図表形式で示しますね。

酒税法第3条第7号における清酒の定義

項目内容
清酒の定義酒税法第3条第7号では、以下の要件を満たすものを「清酒」として定義しています。
1. アルコール度数アルコール分が1度以上であること。
2. 原料以下の原料を使用して作られたもの。
– 米、米こうじ、および水を主原料とすること。
– その他必要に応じて清酒の製造に必要な成分(例:醸造アルコール)を添加できる。
3. 製造方法発酵および圧搾によって得られる液体であること。
4. 糖類等の添加量制限糖類や酸味料などを使用する場合、その添加量は、原料全体の重量の10分の1を超えてはならない。

製法品質表示基準の分類

日本酒にはいろいろな分類法がありますが、国税庁が制定した清酒の製法品質表示基準では、原材料と精米歩合によって特定名称酒を8種類に分類しています。

名称精米歩合醸造アルコールの添加特徴
純米大吟醸酒50%以下なし米、水、米麹のみで造られ、最も高級
純米吟醸酒60%以下なし米、水、米麹のみ。華やかな香りが特徴
純米酒規定なしなし米、水、米麹のみ。米の風味を活かす
大吟醸酒50%以下あり軽やかでフルーティーな香りが特徴
吟醸酒60%以下ありすっきりとした飲み口
本醸造酒70%以下あり米の旨味を引き立てつつすっきり
特別純米酒60%以下または特別な製法なし純米酒の中でも特別なもの
特別本醸造酒60%以下または特別な製法あり本醸造酒の中でも特別なもの

製造方法による日本酒の呼称

日本酒は製造方法の違いでいろいろな種類に分類ができます。

呼称製造方法・特徴
生酒(なまざけ)火入れ(加熱殺菌)を一切行わない酒。新鮮でフレッシュな味わいが特徴。冷蔵保存が必要。
生詰め酒(なまづめざけ)瓶詰め前に一度だけ火入れを行う酒。出荷前に火入れを行わないため、生酒に近い風味を楽しめる。
生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ)貯蔵前に一度火入れを行い、瓶詰め時に火入れを行わない酒。軽やかでフレッシュな風味。
火入れ酒火入れを2回行う一般的な日本酒。長期保存が可能で、安定した風味を保つ。
無濾過酒(むろかしゅ)濾過(ろか)を行わず、そのまま瓶詰めされた酒。より濃厚で個性的な味わいが残る。
にごり酒発酵後、粗めの濾過を行い、米の固形分が残った状態の酒。白く濁っており、濃厚でクリーミーな口当たり。
原酒(げんしゅ)醸造後に水でアルコール度数を調整せず、そのままの度数で出荷される酒。通常、アルコール度数が高め。
長期熟成酒(ちょうきじゅくせいしゅ)数年間熟成させた日本酒。複雑な香りと深い味わいを持つ。
槽搾り(ふなしぼり)酒槽(さかぶね)という伝統的な圧搾機でゆっくりと搾る方法。丁寧に搾られるため、雑味が少ない。
袋吊り(ふくろづり)酒袋に入れたもろみを吊り下げて自然に滴り落ちる酒を集める方法。非常に手間がかかり、繊細な味わいになる。
山廃仕込み(やまはいじこみ)伝統的な山廃酛(もと)を使用した仕込み法。乳酸を自然発生させるため、酸味が豊かで複雑な風味が特徴。
木桶仕込み(きおけじこみ)木桶を使用して仕込む伝統的な方法。木の風味が酒にほんのりと影響し、深みのある味わいになる。
速醸酛(そくじょうもと)乳酸を最初から添加して発酵を早める製造法。一般的な方法で、軽やかでスムーズな酒質になる。

補足です‥

・新酒  7月から翌年6月までの年度内に出荷されたお酒
・古酒  製造後1年以上経ってから出荷されたお酒

  • 火入れ:日本酒を加熱する工程で、酵素や微生物の働きを抑えるために行います。火入れを行わないと、生酒のようにフレッシュな風味が楽しめますが、保存には注意が必要です。
  • にごり酒:濾過が粗いため、米や麹の成分が残っており、濃厚で独特のテクスチャーが楽しめます。

いかがでしたか?

製造方法により、日本酒の味わいや風味が大きく異なるため、自分の好みに合った製造法の日本酒を見つける楽しみがありますね。

次に日本酒の原料、醸造工程をお伝えしますね。

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