【チーズの製造工程】

こんにちは、garesuです。

今回は「チーズができるまで」をお伝えしますね。

まざまな種類のチーズに共通する基本的なステップを含んでいますが、チーズの種類や製法によって微妙に異なることがあります。こちらでは一般的なチーズの製造工程をお伝えします。

チーズができるまで

乳の準備

  • チーズの主原料は牛乳、羊乳、ヤギ乳などの乳です。使用する乳は、新鮮で衛生的なものを選びます。
  • 乳は殺菌されることが一般的です。これは、乳中の有害な微生物を除去するためです。低温殺菌法がよく使われますが、ナチュラルチーズでは、伝統的な風味を残すために非殺菌乳を使うこともあります。

 乳酸菌と凝乳酵素の添加

  • 殺菌した乳に乳酸菌(スターター文化)を加えます。乳酸菌は乳糖(ミルクの糖分)を乳酸に変え、乳を酸性にし、チーズの風味や保存性を高めます。
  • 次に、レンネット(凝乳酵素)という酵素を加えます。この酵素によってミルクが凝固し、固形分(カード)と液体分(ホエー)に分かれます。

凝固とカードの切断

  • 凝乳酵素が乳を固めると、固形の「カード」(凝乳)と液体の「ホエー」(乳清)ができます。
  • カードが固まったら、ナイフや専用のカッターでカードを切ります。これにより、ホエーがさらに分離しやすくなります。カードを細かく切ることで、チーズの硬さや水分量が調整されます。

加熱と撹拌

  • カードが切られた後、軽く加熱しながら撹拌する工程があります。この過程はカードからホエーをより多く分離させ、チーズの最終的なテクスチャーに影響を与えます。温度や撹拌時間は、チーズの種類によって異なります。

ホエーの排出

  • カードとホエーを分離します。ホエーは排出され、カードはチーズの原型として残ります。ホエーはチーズ作り以外の用途にも利用され、栄養価が高いため、動物飼料や他の食品製造に使われることもあります。

成形・圧縮

  • 分離されたカードを型に入れて成形します。さらに、圧力をかけて余分なホエーを押し出し、形を固定します。この工程によってチーズの硬さや形状が決まります。圧縮時間もチーズの種類によって異なり、柔らかいチーズは短時間、硬いチーズは長時間行われます。

 塩漬け

  • 成形されたチーズを塩水に浸したり、表面に塩を振りかけたりして塩漬けします。この工程は、風味を加えるだけでなく、保存性を高め、カビの発生を防ぐ役割も果たします。また、塩分はチーズの熟成過程にも影響を与えます。

 熟成(エイジング)

  • 多くのチーズは、特定の温度と湿度条件下で熟成させます。熟成期間はチーズの種類によって異なり、短期間(数週間)のものから、数ヶ月、場合によっては数年にわたって熟成させるものもあります。
  • 熟成中に、チーズは風味が深まり、テクスチャーや外観も変化していきます。例えば、カマンベールやブルーチーズのように、カビを使って熟成するものもあります。

包装・出荷

  • 熟成が完了したチーズは包装され、市場に出荷されます。ナチュラルチーズは、特に保存方法が重要で、適切な温度や湿度を保ちながら保存されます。

チーズの種類

世界には1000種類以上ものチーズがあります。
ナチュラルチーズプロセスチーズの2種類に大きく分けられています。

ナチュラルチーズ

特徴

ナチュラルチーズは、乳(牛乳、羊乳、ヤギ乳など)を発酵させて作られる伝統的なチーズです。製造工程で乳酸菌や凝乳酵素(レンネット)を使って固形分(カード)と液体分(ホエー)を分離し、熟成させて作られます。ナチュラルチーズは時間が経つと熟成が進み、風味や食感が変化します。

ナチュラルチーズの種類

ナチュラルチーズには多くの種類があり、フレッシュチーズ、ハードチーズ、白カビチーズ、青カビチーズ、ウォッシュチーズなど、さまざまなタイプがあります。

主な特徴

  • 熟成:多くのナチュラルチーズは、熟成が必要です。熟成の過程でチーズの風味が豊かになり、硬さや味わいが変化します。
  • 風味や食感の多様性:チーズの種類や熟成期間によって、風味や食感が大きく異なります。若いチーズは柔らかくマイルドですが、熟成が進むと風味が濃厚で複雑になります。
  • 保存性:ナチュラルチーズは、熟成期間や保存状態により品質が変化しやすいため、冷蔵保存が一般的です。また、カビが生えやすいものもありますが、風味の一部とされることが多いです。

代表的なナチュラルチーズ

  • モッツァレラ(フレッシュチーズ)
  • カマンベール(白カビチーズ)
  • ゴルゴンゾーラ(青カビチーズ)
  • チェダー(ハードチーズ)
  • パルミジャーノ・レッジャーノ(ハードチーズ)

プロセスチーズ

特徴

プロセスチーズは、ナチュラルチーズを原料として作られたチーズ製品です。ナチュラルチーズを加熱して溶かし、乳化剤を加えることで均質な食感を作り、保存性を高めたものです。プロセスチーズは加熱されるため、熟成が進まず、品質が安定しています。

プロセスチーズの製造

プロセスチーズは、1種類のナチュラルチーズを使用する場合もあれば、複数の種類をブレンドすることもあります。製造過程で加熱処理されるため、細菌や酵素の働きが止まり、熟成が進まないのが特徴です。

主な特徴

  • 安定した品質:プロセスチーズは加熱処理されているため、品質が安定しており、風味や食感が均一です。
  • 長い保存期間:ナチュラルチーズと比べて、長期保存が可能です。冷蔵庫での保存が推奨されますが、ナチュラルチーズほど風味が変化しません。
  • 融けやすい:スライスチーズやベビーチーズなど、溶けやすいものが多く、料理に使いやすいのが特徴です。

代表的なプロセスチーズ製品

  • スライスチーズ:サンドイッチやハンバーガーに使う薄切りタイプ。
  • ベビーチーズ:小さな個包装のチーズで、スナック感覚で食べられます。
  • チーズスプレッド:パンに塗りやすいクリーム状のチーズ。
  • キャンディーチーズ:小分けされたお菓子感覚のチーズ。

ナチュラルチーズとプロセスチーズの違い

ナチュラルチーズプロセスチーズ
製造方法乳を発酵させ、熟成して作られるナチュラルチーズを加熱・溶かし、乳化剤を加えて製造
熟成時間が経つと熟成し、風味が変化熟成しない(加熱処理されるため、品質が安定)
保存期間比較的短く、保存方法に注意が必要長期保存が可能で、品質が変化しにくい
風味チーズの種類により風味が多様で、個性が豊か安定した風味、種類によっては淡泊な味わい
食感柔らかいものから硬いものまでさまざま滑らかで均一な食感が多い
用途そのまま食べる、料理のアクセントに使用料理、パンに挟む、溶かして使うなど、手軽な用途に向いている

どちらを選ぶべきか?

ナチュラルチーズは、チーズ本来の風味を楽しみたい場合や、料理に風味のアクセントを加えたい場合に向いています。特にワインやフルーツと一緒に楽しむことが多いです。

プロセスチーズは、手軽さや保存性を重視する場合に最適です。サンドイッチに挟んだり、簡単に溶かして料理に使う際に便利です。

いかがでしたか?

ナチュラルチーズは発酵・熟成によって風味や食感が変化し、多彩な味わいが楽しめます。一方で、プロセスチーズは品質が安定しており、長期保存や手軽に使える点が魅力です。どちらも用途や好みによって選ぶと良いでしょうね。

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