【スピリッツ ウオッカ 発酵酒】

スピリッツ 発酵酒

こんにちは、garesuです。

スピリッツとは、発酵させた原料を蒸留して造る高アルコールの酒類を指します。
ウイスキーやブランデーも広義ではスピリッツに含まれますが、一般的には無色透明または軽く熟成された酒が「スピリッツ」と呼ばれます。

スピリッツは、醸造酒を蒸留機で加熱・冷却することでアルコール度数を高めた酒のこと。
講義では、ブランデーやウイスキー、焼酎を含めた蒸留酒全般を指します。

ウオッカジンラムテキーラ世界四大スピリッツとよばれています。

醸造酒のアルコール度数は高くて20度くらいですが、スピリッツの場合40度前後から50度近いものもあります。
度数が高いので常温で長期保存がしやすいのです。

スピリッツの歴史  蒸留酒の進化の物語

スピリッツは、医学・錬金術・宗教・嗜好品という多彩な目的を経て、世界中に広がりを見せた蒸留酒です。

紀元前:蒸留の起源

  • 古代メソポタミアやエジプトで、香料や薬の抽出目的で「蒸留技術」が使用されていた。
  • 当初の蒸留は飲用目的ではなく、医学や錬金術の分野で発展。

中世イスラム圏:本格的な蒸留技術の発明

  • 8〜9世紀、イスラム世界で**アランビック(蒸留器)が開発され、アルコールの抽出が可能に。
  • 医学的用途として「蒸留アルコール」が利用され、「アクア・ヴィタエ(命の水)」と呼ばれるように。

ヨーロッパへ伝播:飲用アルコールへと進化

  • 蒸留技術が中世ヨーロッパに伝わり、13世紀頃にはワインの蒸留によるブランデーが誕生。
  • この頃からアルコールが飲用・保存用として使われるようになり、各地でスピリッツの原型が形成。

各地で独自発展:スピリッツの多様化

世紀地域発展内容
16世紀イギリスジンの原型が誕生(薬用酒から進化)
17世紀ロシア・ポーランドウォッカの製造が広まり国民酒に
17〜18世紀カリブ諸国サトウキビの副産物からラムが誕生
18世紀メキシコテキーラの起源が形成される

近代:カクテル文化と世界的普及

19世紀、アメリカでカクテル文化が開花し、ジン・ウォッカ・ラムなどのスピリッツが世界中に普及。

20世紀後半以降は世界中で個性豊かなクラフトスピリッツも登場し、さらなる多様化へ。

世界四大スピリッツを簡潔にお伝えしますね。

ウオッカ

ウォッカは一見シンプルですが、奥深い特徴と歴史、製法があります。

ウォッカの定義と特徴

ウォッカとは、穀物やじゃがいもなどを原料とした蒸留酒で、基本的に無色・無臭・無味に近いことが特徴です。アルコール度数は40%前後が一般的ですが、45%以上のものも存在します。

主な特徴

濾過の技術が品質に直結し、ブランドごとの味の違いを生む。

透明でクセがないため、カクテルのベースとして最適。

冷凍しても凍らず(-27℃以下でやっと凍結)、とろりとした口当たりになる。

原料と製造

原料

  • 穀物系:小麦、ライ麦、とうもろこしなど(クリーンで軽やかな味)
  • いも類系:じゃがいも(よりまろやかで甘みのある味)

製法

  1. 糖化・発酵:原料のデンプンを糖に分解し、酵母でアルコール発酵。
  2. 蒸留:連続式蒸留器を使い、95%程度の高純度エタノールまで精製。
  3. 加水:アルコール度数を40%前後に調整。
  4. 濾過 :木炭・活性炭・石英・白樺などを使って、雑味・不純物を徹底的に除去。
  5. 瓶詰・出荷:熟成工程はほとんどなく、蒸留後すぐに製品化される。

歴史

起源はポーランドまたはロシアで、11〜14世紀にかけて発展。

元々は医療用・消毒用として使われていた。

ロシアでは「ヴォートカ(водка)」=「水(вода)」の縮小辞として親しまれ、「国民酒」として政治・宗教儀式でも使用。

ソビエト時代の影響

  • 国家管理のもと生産・流通が管理され、「安価で大量に飲める」国民的飲料に。
  • 社会的・経済的な役割も大きく、税収源として重要視された。

飲み方のバリエーション

飲み方説明
ストレートキンキンに冷やして、小さなグラスでショット(ロシア流)
ロック氷とともに味の変化を楽しむ
カクテルモスコミュール、スクリュードライバー、ブラッディ・マリーなど多数
フレーバードバニラ、ベリー、柑橘などを加えた香り付きタイプも人気

世界の主要ウォッカ銘柄

ブランド原産国特徴
ストリチナヤロシア伝統的製法を守るクラシックな味わい
ベルヴェデールポーランドプレミアムラインでまろやかでスムーズ
グレイグースフランス小麦を原料に使用し、軽く洗練された味わい
スミノフアメリカ(元ロシア)世界的に有名、手軽に楽しめる

いかがでしたか?

ウオッカはシンプルさから多くのカクテルに使われる万能なスピリッツで、世界中で愛されています。
ぜひ、自分のお気に入りのブランドや飲み方を見つけて、ウオッカの新しい魅力を発見してみてくださいね。

次回はジン、ラム、テキーラについてお伝えしますね。

     参考文献

「発酵食品ソムリエ講座テキスト1 伝統的な和食と日本の発酵文化」U-CAN
「発酵食品ソムリエ講座テキスト2 世界にひろがる発酵食品と健康」U-CAN
「発酵食品を楽しむ教科書」 ナツメ社

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