【ヨーグルト 発酵乳製品】

こんにちは、garesuです。

ヨーグルトといえば、乳製品でカラダに良いイメージがありますね。
タンパク質やカルシウムなど手軽で食べやすい発酵乳製品です。
家畜の乳を乳酸菌や酵母で発酵させています。
フレッシュチーズの原形でもあります。

ヨーグルトをつくる乳酸菌には、サーモフィラス菌ブルガリヤ菌アシドフィルス菌などさまざまなものがあります。
菌の組み合わせや発酵温度の違いによって味に変化が生まれます。

市販のヨーグルトは、製法や形状によってプレーンヨーグルトやドリンクヨーグルトなど、おもに5種類あります。
近年、健康意識が高まっており国内におけるヨーグルトの市場規模は拡大基調にあります。

ヨーグルトの歴史

ヨーグルトの歴史はとても古く、数千年前にさかのぼります。
ヨーグルトの起源は正確には分かっていませんが、紀元前6000年ごろのメソポタミアや中央アジアの遊牧民の間で自然発生的に作られたと考えられています。
遊牧民たちは動物の乳を革袋などに保存していたため、その中で乳酸菌が繁殖し、乳が自然に発酵してヨーグルトができたのではないかと推測されています。

古代のヨーグルトの使用と広がり

ヨーグルトは古代の人々にとって重要な食べ物であり、保存がきき栄養価が高いため、特に遊牧民にとって便利でした。
また、発酵によって乳の消化がよくなり、長期間保存できる点も重宝されました。
古代ギリシャやローマでも、ヨーグルトのような発酵乳が利用されていた記録が残っています。
ヨーグルトという言葉自体はトルコ語由来で、「yoğurmak(ヨウルマク)」という「濃くする、攪拌する」という意味の動詞から派生したと言われています。

ヨーグルトの医学的利用

ヨーグルトは古代から健康食品としても重視されていました。
例えば、ギリシャの医師ヒポクラテスは、ヨーグルトが消化器官に良い影響を与えると述べています。
また、17世紀にはロシアの医学者が、ヨーグルトの消化促進効果や健康への利点を観察し、その後の研究に影響を与えました。

ヨーロッパへの広がり

ヨーグルトが広くヨーロッパに知られるようになったのは、16世紀のオスマン帝国の影響や、19世紀後半の研究者たちの活動によるものです。
特に、ルガリアの科学者スタメン・グリゴロフは、1905年にヨーグルトの発酵に関わる乳酸菌を発見し、その菌が「ラクトバチルス・ブルガリクス」と名付けられました。
この発見により、ヨーグルトの発酵メカニズムが科学的に解明され、より多くの地域で生産が進むようになりました。

現代のヨーグルト産業

20世紀になると、ヨーロッパやアメリカでもヨーグルトの健康効果が注目され、商業的な生産が進みました。
特に、フランスの「ダノン(Danone)」は1920年代に商業的なヨーグルトを製造し、ヨーロッパ各地に広まりました。
第二次世界大戦後には、アメリカでもヨーグルトが健康食品として人気を博し、現在では世界中で様々な形で楽しまれています。

日本におけるヨーグルト

日本でヨーグルトが普及し始めたのは20世紀初頭です。
明治時代に西洋文化が導入され、乳製品が広がる中でヨーグルトも知られるようになりました。
本格的な商業生産が始まったのは昭和に入ってからで、1950年代には家庭用のヨーグルトが市場に登場し、特に健康志向が高まった1970年代以降に広く普及しました。
現在では、プレーンヨーグルトだけでなく、フルーツ入りや飲むヨーグルトなど、多様な商品がスーパーマーケットで手軽に手に入ります。

ヨーグルトは古代から現代まで様々な文化の中で進化しながら、多くの人々に愛され続けています。

イリヤ・メチニコフ :ノーベル生理学医学賞を受賞したロシアの微生物学者
1900年代前半、旅行で訪れたブルガリアに長寿者が多いことを発見しました。彼らが日常に食べていたヨーグルトに含まれる乳酸菌が長寿の秘訣であるとし、「ヨーグルト不老長寿説」を発表しました。これをきっかけに世界中に注目されました。

ヨーグルトの種類

ヨーグルトには、発酵方法や使用する乳酸菌の種類、製法などによってさまざまな種類があります。

 プレーンヨーグルト

最も基本的なヨーグルトで、甘味料やフルーツなどを加えず、乳と乳酸菌だけで作られます。無糖のため、好みで蜂蜜やフルーツ、シリアルなどを加えて食べることが多いです。また、料理の素材としても使われることがあり、サラダドレッシングやデザート、漬物の材料にも利用されます。

フルーツヨーグルト

プレーンヨーグルトに果物や果汁、ジャムなどを加えて味付けしたものです。市販されているフルーツヨーグルトには、イチゴ、ブルーベリー、ピーチなどのフレーバーがよく見られます。子どもや甘いものが好きな人にも人気があります。

 飲むヨーグルト

液体状のヨーグルトで、スムーズに飲むことができるように調整されています。忙しい時や軽食として手軽に摂れるため、人気があります。甘味が加えられているものが一般的ですが、無糖のものも販売されています。

プロバイオティクスヨーグルト

プロバイオティクスは、腸内環境を改善する有益な微生物を含む食品で、ヨーグルトにもよく使用されます。プロバイオティクスヨーグルトは、特定の菌株(例: ビフィズス菌ラクトバチルス菌)を豊富に含んでおり、消化器系の健康に役立つとされています。健康維持や免疫力の向上を目的に、積極的に摂取する人が多いです。

 無脂肪・低脂肪ヨーグルト

ダイエットやカロリー制限をしている人向けに、脂肪分を抑えたヨーグルトです。通常のヨーグルトに比べて脂肪分が少ないか、全く含まれていないため、カロリーが低くなっています。ただし、脂肪が少ないことで味わいやコクがやや控えめになることもあります。

ソイヨーグルト(豆乳ヨーグルト)

乳製品を使用せず、豆乳を発酵させて作ったヨーグルトです。ヴィーガンの人や乳糖不耐症の人にも適しています。豆乳由来のため、通常のヨーグルトとは少し異なる風味がありますが、植物性タンパク質や栄養素を手軽に摂取できる点で人気があります。

ラッシー

インド発祥の飲むヨーグルトの一種で、ヨーグルトを水やミルクで薄め、砂糖やスパイスを加えたものです。甘いラッシーもありますが、スパイスが入ったしょっぱいラッシーもインドや周辺地域で一般的です。消化促進効果もあり、インド料理の付け合わせとして提供されることが多いです。

ケフィア

ケフィアは、牛乳やヤギの乳を発酵させて作られる、酸味が強めの発酵乳飲料です。ヨーグルトと同様に乳酸菌で発酵させますが、酵母も使用されており、独特の風味と栄養価が特徴です。ケフィアは腸内フローラに良い影響を与えると言われており、プロバイオティクス効果が注目されています。

カスピ海ヨーグルト

カスピ海ヨーグルトは、カスピ海周辺地域で伝統的に作られてきたヨーグルトで、日本でも非常に人気があります。日本では、特に家庭で簡単に作れるヨーグルトのひとつとして親しまれており、クリーミーで粘りのある食感が特徴です。常温でも発酵が進むため、家庭での自家製ヨーグルトとしても手軽に作られます。

ヨーグルトゼリー

ヨーグルトにゼラチンを加えて固めたデザートタイプのヨーグルトです。子どもにも人気があり、さっぱりした風味とゼリーのプルプルとした食感が楽しめます。フルーツソースなどを添えて、よりデザート感覚で食べられることが多いです。

ヨーグルトは、それぞれの風味や食感、栄養価の違いがあり、用途や好みに合わせて選ぶことができます。
ヨーグルトはそのまま食べるだけでなく、料理やお菓子作りにも活用されるため、多様な場面で楽しむことができます。

各国のヨーグルト

世界中で愛されている発酵食品ですが、国や地域ごとに独自の製法や文化に根付いた多様なヨーグルトがあります。

 トルコ – スズメック(Süzme Yogurt)🇹🇷

トルコはヨーグルトの発祥地のひとつと言われています。トルコの「スズメック」は、水切りヨーグルトの一種で、ギリシャヨーグルトに似ています。濃厚でクリーミーな食感が特徴で、料理の付け合わせとしてサラダやメゼ(前菜)に使われたり、ソースやディップとして利用されます。トルコではヨーグルトは多くの料理に使用され、肉料理やスープに混ぜることもあります。

インド – ダヒ(Dahi)🇮🇳

インドの伝統的なヨーグルト「ダヒ」は、日常の食卓に欠かせない食品です。インドの気候で自然に発酵させるため、やや酸味が強いのが特徴です。料理の付け合わせとして使われるほか、ラッシーやライタ(ヨーグルトを使ったサラダ)に使われます。また、消化を助けるため、特にスパイシーな料理と一緒に食べられることが多いです。

 ギリシャ – ギリシャヨーグルト(Strained Yogurt)🇬🇷

ギリシャヨーグルトは世界的にも有名で、濃厚でクリーミーな質感が特徴です。水分を取り除くことで、タンパク質が豊富で、低糖質なヨーグルトが出来上がります。ギリシャでは朝食として、蜂蜜やナッツ、フルーツを添えて食べるのが一般的です。また、料理にもよく使われ、サラダのドレッシングやディップ、デザートに使われることが多いです。

ブルガリア – ブルガリアヨーグルト🇧🇬

ブルガリアはヨーグルトの発酵に使われる「ブルガリア菌」(ラクトバチルス・ブルガリクス)の発見で有名です。この菌が独特の風味と酸味をもたらし、ブルガリアでは伝統的な乳製品として愛されています。ブルガリアでは、シンプルに無糖で食べられることが多く、消化促進や健康増進のため日常的に摂取されています。日本でも「ブルガリアヨーグルト」という商品が普及しており、親しまれています。

アイスランド – スキール(Skyr)🇮🇸

スキールはアイスランドの伝統的な発酵乳製品で、見た目はヨーグルトに似ていますが、非常に濃厚でタンパク質が豊富です。アイスランドでは古くから食べられており、特に健康志向の高い人々の間で人気があります。スキールはやや酸味があり、クリーミーな食感が特徴で、ベリーや蜂蜜を添えて食べられることが多いです。

中東 – ラバン(Laban)

「ラバン」は中東全域で広く食べられるヨーグルトの一種で、主にドリンクとして楽しむことが多いです。塩味を加えたヨーグルトドリンクで、暑い気候の中で水分補給として飲まれることが一般的です。また、料理にも使用され、肉料理やスープに加えることで風味を豊かにします。レバノンやシリアなどでも人気があります。

ロシア – ケフィア(Kefir)🇷🇺

ケフィアはロシアや東欧で広く飲まれている発酵乳飲料で、ヨーグルトに似ていますが、酵母も含まれているため発酵が進み、微炭酸のような風味が特徴です。ケフィアはプロバイオティクス効果が高く、腸内環境を整えるために日常的に飲まれています。ロシアでは朝食や軽食としてケフィアを飲む習慣があります。

 中国 – 酸奶(サンナイ)🇨🇳

中国の「酸奶(サンナイ)」は、やや酸味のあるヨーグルトで、甘味を加えて飲むタイプが一般的です。瓶入りの飲むヨーグルトが広く流通しており、食後のデザートや軽い飲み物として親しまれています。最近では健康志向の高まりから、砂糖を加えない無糖タイプのヨーグルトも人気があります。

フランス – フロマージュ・ブラン(Fromage Blanc)🇫🇷

フランスの「フロマージュ・ブラン」は、ヨーグルトに似たフレッシュチーズで、ヨーグルトと同様にクリーミーな食感があります。無糖のプレーンタイプが多く、ジャムや蜂蜜、フルーツを添えてデザートとして食べることが一般的です。料理にも使われることが多く、特にデザートや焼き菓子の素材として重宝されています。

世界中でヨーグルトはそれぞれの文化や気候に合わせた独自の進化を遂げています。
どの国でも、健康食品としての価値や、料理への利用方法など、ヨーグルトは多様な形で日常に取り入れられています。

いかがでしたか?
国ごとのヨーグルトを試してみると、それぞれの土地の風土や文化が感じられるかもしれませんね。

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