こんにちは、garesuです。
パンをおいしくする決め手は小麦粉と酵母といわれています。
パンの原料は主に小麦粉、酵母、塩、水の4つです。
小麦粉についてお伝えしますね。

小麦粉
パンの主成分は小麦粉です。
小麦粉には、グルテニンとグリアジンと呼ばれるたんぱく質が含まれています。
小麦粉に水を加えてよくこねることで、これらのたんぱく質はグルテンと呼ばれるネット状の組織を形成します。
グルテンの主な役割
- 弾力と柔軟性を与える
- パン生地をこねるとグルテンがネット状の構造を作り、その構造が生地に弾力を与えます。このため、焼き上がったパンはふんわりと膨らみ、もちもちした食感を得られます。
- ガスを捕らえて膨らむのを助ける
- パン酵母が発酵して生成する二酸化炭素をグルテンが捕らえ、その結果として生地が膨らみます。グルテンがしっかりとした構造を作ることで、パンが崩れずにふんわりと焼き上がります。
- 食感や口当たりに影響を与える
- グルテンの量や質によって、パンの食感が異なります。グルテンが多いほど、しっかりとした噛みごたえのあるパンが作られ、少ない場合はサクサクした軽い食感のパンができます。
グルテンに関する健康面
最近では「グルテンフリー」食品が注目されています。これは、セリアック病やグルテン不耐症と呼ばれる症状を持つ人が、グルテンを摂取すると消化器系に問題が起きるため、グルテンを含まない食事を選ぶ必要があるためです。ただし、これらの症状がない人にとっては、グルテン自体が健康に悪いというわけではなく、通常の食事で問題なく摂取できる成分です。
小麦粉の種類
小麦粉は用途や含まれるタンパク質(グルテン)の量によって分類されます。
強力粉(たんぱく質含有量:12〜14%)
- 用途:パン、ピザ生地、うどん、パスタなど
- 特徴:グルテンの量が多く、弾力や粘りが強いです。パンやピザのように、生地を膨らませたい料理に最適です。焼き上がりがしっかりとした食感になります。

中力粉(たんぱく質含有量:9〜11%)
- 用途:うどん、中華麺、餃子の皮など
- 特徴:強力粉と薄力粉の中間に位置する粉で、適度な弾力と柔らかさがあります。うどんや中華麺に使われることが多く、モチモチ感と歯ごたえがある食感を生み出します。

薄力粉(たんぱく質含有量:6〜9%)

- 用途:ケーキ、クッキー、天ぷらの衣、ホットケーキなど
- 特徴:グルテンの量が少なく、柔らかく軽い食感が特徴です。ケーキやクッキーなど、ふんわりしたりサクサクした食感を必要とする焼き菓子に適しています。また、天ぷらの衣にも使用されます。
全粒粉
- 用途:全粒粉パン、クッキー、クラッカーなど
- 特徴:小麦を丸ごと挽いた粉で、外皮(ふすま)や胚芽も含まれるため、栄養価が高く、食物繊維やビタミンが豊富です。風味が強く、独特の香ばしさと歯ごたえがあります。通常の小麦粉と混ぜて使用することが多いです。
デュラムセモリナ粉
- 用途:パスタ、マカロニ
- 特徴:デュラム小麦という硬質の小麦から作られる粉で、パスタの製造に最も適しています。独特の黄色味を帯び、しっかりとしたコシのある食感が特徴です。

パン酵母
パン酵母は、小麦粉に含まれる糖分を分解して、炭酸ガスやアルコール、有機酸などをつくり出します。
炭酸ガスは焼くことでさらに膨張し、ふっくらとしたパンができあがります。
また、アルコールや有機酸はパン特有の良い香りのもとになっています。
パンづくりには、一般的にイーストとよばれる酵母が使われます。
酵母は自然界のいたるところに生息する微生物です。
その中からパンづくりに適した醗酵力の強い酵母を選別し、純粋培養したものがイーストです。
現在では主にサッカロマイセス・セレビシエという菌が使われています。
市場に流通しているイーストは状態によっていくつかに分類されます。
イーストの種類
イースト(酵母)は、パンやビール、ワインなどの発酵に使われる微生物で、特にパン作りでは生地を膨らませるために重要な役割を果たします。
イーストにはいくつかの種類があり、用途や保存方法が異なります。
インスタントドライイースト
- 特徴:インスタントドライイーストは、粉末状の乾燥酵母で、粒が非常に細かく、水に溶かす必要がなく、そのまま小麦粉に混ぜて使用できます。
発酵力が強く、保存期間が長いのが特徴です。常温での保存が可能ですが、開封後は冷蔵庫に保管することが推奨されます。 - 用途:家庭でのパン作りに広く使われ、特に初心者向けです。食パン、菓子パン、フランスパンなどに適しています。
アクティブドライイースト
- 特徴:インスタントドライイーストより粒が大きめの乾燥酵母です。使用する前に、ぬるま湯で溶かして活性化させる必要があります。
発酵力はインスタントドライイーストよりやや弱いですが、発酵のコントロールがしやすいです。保存期間も長く、常温で保管可能ですが、冷蔵保存が推奨されます。 - 用途:パンやピザ生地などに使用されます。発酵のプロセスを重視するレシピによく使われます。
生イースト(フレッシュイースト)
- 特徴:生イーストは湿った状態で販売されており、ブロックやケーキ状の形をしていることが多いです。
水分を多く含んでいるため、保存期間が短く、冷蔵庫で保存が必要です。発酵力が非常に高く、パンに豊かな風味を与えますが、扱いが少し難しいため、家庭での使用はあまり一般的ではありません。 - 用途:主にプロのパン職人やベーカリーで使用されます。特に繊細な発酵が必要なパンや、独特の風味を生かしたい場合に使用されます。
天然酵母(自家製酵母)
- 特徴:天然酵母は、自然界に存在する酵母菌や乳酸菌を使って発酵させる方法で、果物や穀物、野菜から酵母を育てることができます。
発酵に時間がかかりますが、独特の風味や酸味が得られ、自然な風味のパンが作れます。
作るには手間がかかりますが、健康志向の人やパン作りを楽しむ人に人気があります。 - 用途:カンパーニュやサワードウなど、風味豊かで噛みごたえのあるパンに使われます。
サワードウスターター(ルヴァン種)
- 特徴:サワードウは小麦粉と水を混ぜて自然発酵させた種です。乳酸菌や酵母菌が育ち、独特の酸味と風味を持つパンを作ることができます。
時間はかかりますが、一度スターターを作れば、継続して利用できるのが特徴です。 - 用途:サワードウブレッド(酸味のあるパン)やカンパーニュなどに使われます。アメリカやヨーロッパでは伝統的な製法として人気です。
いかがでしたか?
それぞれのイーストの特性を理解して、用途に合わせて使い分けることで、よりおいしいパン作りが楽しめます。
イーストの種類によって風味や食感が変わるので、ぜひいろいろ試してみてくださいね。
